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黒野の出した結論、それは近藤靖彦を医学への道へ導く事が己の犯した過去の罪への戒めと解釈する黒野
「クソガキ…お前に覚悟はあるか?」
不意に声をかけられた青年は顔を上げてその純真な瞳で黒野を見つめた
「何の覚悟だ?」
「人を切る覚悟だ、勘違いするな?それは、人を救う術に値する」
「つまり?」
「医学を…」
そこへ金髪坊主に黒いサングラスをかけ、倒れ込む珠里の傍まで謎の男性がゆっくりと歩み寄り頬を叩き彼を起こそうとする
「あちゃ~、珠里さん。
随分とあっさりとやられましたねぇ?」
金髪坊主にサングラスをかた男性は紫色のジャケットを羽織り軍パンを履き分厚い靴を履いていた
目覚める珠里はか細い声でその男の名を呼んだ
「アッ…けほっ、アダム?何故、此処に?」
『アダム』の言葉に反応したのは他でも無い黒野だった
「アイツがアダム?」
「定期連絡が無いんで、気になって来たら予想通りですね?
病院の周囲は既に封鎖済みですのでご安心を珠里さん…それと、初めまして近藤家の坊ちゃん
お会いするのが待ち遠しかったですよ」
「坊ちゃんは辞めろ」
靖彦は脳内で再び戦闘による戦略をイメージするが黒野により止められる
「寄せっクソガキ。相手が悪すぎる…奴は戦闘のスペシャリストだお前が敵う相手じゃ無い」
「じゃあッ!」
「お分かり、頂いた様でなにより。【ジェネシス】までご同行願います」
近藤靖彦による人体実験で『悲劇』の連鎖が止まる事は無かった。
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