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周囲を封鎖されたとある銀行付近には地元警察や自衛隊が連携しながら銀行から度たび、迸る巨大な『雷』を警戒していた
その様子を遠くから一人の女性が銀行内に向けて『水弾』を放った事により周囲の『報道陣』はカメラのフラッシュを女性と銀行と交互に向ける
『援護射撃、完了です。私は報道陣の標的にされたので、先に本社へ戻ります』
耳元に装着した特殊な小型無線機から銀行内で巨悪と闘う二人に交信を計る女性
『援護射撃、助かったわ~美鈴はん。ここはわいらに任せて早ぅ、本社に戻った方が得策やで』
関西弁で話す男性からの情報が掴み切れずそのまま、銀行を眺める女性、小鳩美鈴…
『イチさん、標的に着弾したんですか?』
イチの相棒、太原 銀次が二人の会話に割り込む
『ども~美鈴さん。銀次っす!ご心配ありがとうございます…』
『わっ、私は別に…ウトゥ様からの社内命令がありましたのでッ』
数秒後、お調子者の銀次の声の調子がやけに真剣だった
美鈴は彼らからは聴覚情報しか得られて無い為、その場の雰囲気はすべてイメージする事しか出来ない
『イチさん…』
『せやな銀次。敵さん、まるで…ターミ〇ーターやで?』
『イチさん!? 銀次さん!?
では私も中にッ!!』
美鈴には彼らの発する言語で危険性を察知し銀行内に駆け寄ろうとする
『あかんッ!!』
銀行内からも聞こえる位のイチの怒号が小鳩美鈴に投げ掛けられた
『なっ、何でですか!!私ならッ』
『自惚れるんや無いで?美鈴はん、わいらもそれなりの修羅場は何度経験した
あんさんの様なタイプが死んで行く奴もわいは見て来た』
銀次は彼の抱える『闇』を知っている、そしてこの言葉の意味は同僚の死。
『イチさん…』
『別に構へん銀次。美鈴はんは『アイツ』とはちゃうが、性格がよう、似とる』
『何の話ですか?』
すべての言葉を整理仕切れ無い小鳩美鈴。
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