S-4

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ちょ、ちょっと待って!! なんでいつの間に恋愛相談になってるんだ!? しかも、相手は碧君? どういう事!? 駄目だ、混乱してる。 「やっぱり、変だと…思う?」 目の前の菫は。 触れれば壊れそうに気を張ってる。 分かるよ、それくらい。 付き合い長いんだから。 だけど、否定しなきゃ。 男が好きだろうが女が好きだろうが、それは自由だけど、碧君は駄目だ。 色気がどうの、て話しをしてた筈なのに。 雰囲気がどんどん本気になっていく。 早く。早く否定しないと。 「いや、気にしないで。ちょっとこう、季節のせいかも。すぐに終わるよきっと。こんな気持ち」 違うよ。勘違いしてるよ、菫。 俺が言いたいのはそうじゃない。 そうじゃないんだ。 「違うよ、菫。俺、そういうのは別に否定しないよ。男でも女でも、人を好きになる気持ちに、良いも悪いも。ないだろ?」 しまった、と思った時には遅かった。 みるみる涙を溢れさせる菫を見て、とんでもない方向へ導いてしまった事に気付いた。
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