S-4

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「はぁ……」 菫と店の前で別れて。 自分の車で運転しながら帰る途中。 ため息が盛大に出た。 あぁ!俺の馬鹿! 「なんでだよ…」 なんでよりにもよって、碧君なんだよ! 他の誰でも、碧君以外ならいくらでも応援してやるのに! それどころか、仲間が出来たと喜びで舞い上がるところだよ! それなのに。 「なんで碧君なんだよ…」 どうする。 あんな事言って、益々俺達の関係言えないぞ。 今更、実は俺碧君の事が好きなんだ、なんて。 そんな事。俺の前で子供のように泣いたあいつに絶対言えない。 ハンドルを握る右手に力がこもる。 これから、一体。 どうなるんだ。 俺も、菫も。 そして、碧君も。
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