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お、始まった。
緋くんが出てる夜の生番組。
自分が恵まれてるな、て思うのはこんな時。
だって、触れ合えなくてもこうやって逢える。
一方的だけどね。
「そうだ!」
今日の釣りの成果をメールで入れといてやろう。
興味無いかも知んないけど。
でもその為に今日は早く楽屋を出たから。
後ろで緋くんが『あっ』て言ったような気がしたけど、菫くんとしゃべってたし。
ちょっと素っ気ないかなって思ったから。
とりあえず、今日は何してたかだけでも言わなきゃ。
緋くん、不安がるから。
俺、こんなに好きなのに。
不思議だけど、緋くんはあんまり自信が無いみたいで。
「…よし、と」
メールの作成が終わって、写メも添付した。
俺の笑顔付きだぞ。
緋くん、喜んでくれるかな。いや、きっと喜ぶな。
「あれ?」
メールを送る前に、送られてきた。
誰だ?
「へぇ、珍しいな」
名前は、菫くん。
緋くんへのメールを後回しにして、俺は受信メールのボタンを押した。
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