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添えた指先を這うように彼の耳元まで上げ、俺は碧君の口の中奥深く舌を挿し込んだ。 温かい。 唾液さえも甘いと感じる彼と、しばし今夜の予兆を感じさせるような、そんな濃密で倒錯してしまいそうなキスを何度も繰り返した。 飲み込んでしまいたい。唾液だけじゃなく。 貴方の全てを絡み取って。 愛してるんだよ、碧君。 「俺も」 唇がほんの少し開いた瞬間、碧君が呟いた。 え? 俺、何も言ってないよ? ちゅ。と。 音を立てて唇が離れた。 「碧、君?」 思いがけなく激しくなったキスで、息が荒くなってる。 碧君もだけど。 「俺も好きだから。大丈夫だよ、緋くん」 包み込まれそうに優しい眼差しの碧君を見て、俺は不覚にもまた泣きそうになっていた。
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