出会い

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?? 「はいこれ。君のでしょ?」 と言って、若い男は僕の鞄を拾い渡してきた。 蘆名 「ありがとうございます。」と言って鞄を右手で受け取った。 しかし、手首に激痛が走り鞄をすぐに落としてしまう。 蘆名 「いてっ!!] ?? 「どうした!?」 蘆名 「いや。わかんないです。なんか右手首が痛くって。」 ?? 「どれ、見せてごらん。」と僕の手首をそっと持ち上げた。 ?? 「こりゃひどいね。すごく腫れてる。奴らにやれたのかい?」 蘆名 「いや。多分、しりもち着いて手を着いたときにひねったのかもしれないです。」 この時、僕はなんて弱い男なんだと思った。不良にに絡まれ、知らない男の人に助けってもらってと思いなんだか悲しくなった。 なんて思っていると、若い男は言ってきた。 ?? 「僕の家この近くなんだ。そこで応急処置をしよう。」 僕は最初「いいです。」と言ったが、半ば強引につれていかれた。 家に向かっている途中に名前と年齢くらいは聞いておいた。 彼の名前は西園寺 成人(サイエンジ ナリヒト)。年齢は30歳らしい。 なんの仕事をしているんだろうなとか考えたが、聞かなかった。いや聞く暇もなく西園寺さんの家に着いた。 家の場所はなんだかあまり人がよりつかない少し森みたいなところを通って抜けた所に少しレトロな家があった。 そこが西園寺さんの家らしい。 西園寺 「さぁ着いたよ。少し古臭いけど、上がって。」 蘆名  「おじゃまします。」 中に入ると見た目通りの少し古臭くホコリっぽいリビンだった。 でも、初めて来たのにとても落ち着く。とても僕好みの空間だった。 西園寺 「適当に座って。今コーヒー入れるから。」と言いながら、キッチンでコーヒーを作っている。 蘆名  「あ、どうぞお構いなく。」と言った時には遅かった。 もう出来ていて、僕の前に置かれていた。 西園寺 「はい。どうぞ。あっ!手首怪我してたんだっけ?ごめん忘れてた。」 と言って、慌てた様子で救急箱を探していた。 僕自身もすっかり怪我の事なんか忘れていた。
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