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思えば、僕が最初に女の子に告白したのは、小学一年生の時でした・・・。 その頃の僕を一言で評価するならば、『馬鹿』の一言に尽きます。馬鹿っていうか、むしろ何も考えずに生きていたと言った方が適切かも知れませんね。現在僕の書いている小説の主人公に匹敵するほどのバカなガキでした。 んで、あれは確か皆で遠足に行って、仲良し同士で固まってお弁当を食べていた時でした。 「ヨウゾウくんって、すきなコいるの?」 唐突に、前に座っていた女の子がそう聞いてきました。 僕は最初は回答を拒否していました。いや、そんな固い感じじゃないですよ?年頃ですから、照れていただけです。 それで最後は僕が折れ、カミングアウトすることになってしまったワケです。 「実は・・・、Rちゃん」 瞬間、場の空気が凍りつきました。 何事かと思って皆の顔を見てみたら、ようやく僕も自分の犯した失態に気がつきました。 僕に質問を投げ掛けてきた女の子こそ、実はRちゃんだったのです。
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