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「どーしたの!?」
不安そうな顔で
眉を八の字にした彼が走ってくる
でも、プールの中だからかな
すっごく遅いの
それでも思いっきり走ろうとするから
おじいちゃんやおばあちゃんが
プールでウォーキングをしているみたい
だから面白くて
つい笑みが零れた
私が笑ったからか
安心したのか、彼は足を止めた
プールの真ん中
一番深いところで
私たちは手を取り合った
「大丈夫??」
不安そうな目
「大丈夫、ゴミが目に入ったの」
大丈夫、私が魔法をかけてあげる
「そっか、良かった・・・」
だからそんな不安な顔しないで?
「ねぇ、雅くん?」
何もいらないから
「っつ!!」
何も言わないで?
これ以上、何も
口をひらけば
きっと、
私はもう、此処にはいられない
プールの一番深いところで
繋がった
青空と月と
私と君の唇
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