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ぐっ…胸が…苦しい
はぁ…ハァ…クッ
息がし辛い。知ってる。過呼吸ってやつだ。このままいくと…
汗が額から顎に向けて滑り落ちる。
こいつの顔や目。体つき…まさに俺じゃないか…
俺は右手で胸を抑えながら言う
「お前は誰なんだ…」
立っている男は鼻で笑いこう言った
「お前が一番知ってるんじゃないか?ってかお前の心の中で既に答えは出ているはずだけどな。」
俺の息が荒くなる
俺が一番知っているだと?
お前は誰なんだ
俺と同じ顔に体…そして声。
まるでこぃつは「俺」じゃないか…
だから俺が一番知っている……
ダメだ認めるな
こいつは俺じゃない
俺はここにいるじゃないか。
「ふざけるなぁ…俺は…お前なんか…知らない」
まだその口で笑う
「ぢゃあ俺は誰かお前に教えてやろうか?」
言うな。
あの光介の言葉が蘇る
「俺は山下和也だ…お前と同じな」
俺はそれを聞いた時、ふらっとして倒れこんだ。
意識がもうろうとする。
この事を覚悟はしてた…いや覚悟が足りなかったんだ。
意識がもうろうとする中もう一人の和也が呟いた。
「そんな苦しむなよ。まぁ自分が二人いるんだ…苦しいは当たり前か。ぢゃあ俺はこれで帰るわ。今日は挨拶で来たんだ。
おお~っと最後に一つ。
俺は山下和也。お前も山下和也。どっちが本物かそれは…
声が遠くなる。
ハァ…
はぁ…
最後は何も聞こえなかった
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