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神……いるとすればだが……神は心底、私を嫌っているらしい。
姫の逃亡情報を聞いて追うは良いが、まさかその先がこの森とは……
忌ま忌ましい森を走りながら、魔法剣で焼き払いたい気持ちを抑えて目の前を見据える。
「ふむ……ネズミは近いな。」
先程から、婦人とおぼしき真新しい足跡が森の奥へと続いている。
「全く、逃げるならもう少しましな場所を選んで欲しいものだな……」
などと呟き、また脚を動かす。
私が、この忌ま忌ましい森を走る事になった理由を反芻しながら……
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