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僕が読書に夢中になり始めたのは、中学一年の頃だから、もう35年以上昔のことになる。当時は、角川文庫の横溝正史ブームで、僕も乱歩の少年探偵を卒業して、金田一探偵に移った。そして、読書好きだった母の勧めで松本清張の「点と線」を読み、「砂の器」も読んだが、まだ幼かった僕には犯人が分かっている社会派推理小説は、大して魅力を感じなかった。
しかし、35歳を過ぎた頃から、松本清張の作品の幅広さと質の安定感から、ちょくちょく読むようになり、今では特に読みたい本が無い時など、松本作品の棚を物色している。
この短編集には四作品収録されているが、ミステリータッチの小説という感じで、本格ではない。
中では、「断線」が、かつて神奈川県に住んでいたので、馴染みがあるのと、表題作の結末が、良い意味で意外だったのが印象的だった。
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