6人が本棚に入れています
本棚に追加
「遠距離恋愛ってドラマティックなものじゃない。
中々会えない分沢山色々我慢しなきゃいけないし、ふと不安が過ぎったりする。
でもね、こうやって会える瞬間って凄くハッピーなんだ。
近くにいた頃より、凄く凄く愛しく感じるの」
本音がポロリ。
大好きだからでてしまう。
あたし達が出会ったのは高校時代。
あたしは中距離ランナーだった。
同じクラスで成績優秀な雅彦は生徒会長をしていた。
話した事もあまりなく縁がない人だと思っていた。
ちょうどスランプの時期があって、たまたま泣いている姿を雅彦に目撃された。
その時、叱咤激励をしてくれた。
毎日毎日……。
あたしがスランプから抜け出した後も心の支えになってくれた。
いつの間にか自然な流れであたし達は恋仲になっていた。
ありえない恋愛だと思っていた恋からのスタートだったけど、毎日毎日楽しくて笑っていた。
雅彦が大学院を出て海外留学をすると決断した日、今度はあたしが雅彦を叱咤激励して心の支えになろう……。
そう決めたのだ。
なぜか思い出が頭を過ぎる。
「詩織……」
雅彦があたしの顔をジッと見る。
最初のコメントを投稿しよう!