特別な日

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「遠距離恋愛ってドラマティックなものじゃない。 中々会えない分沢山色々我慢しなきゃいけないし、ふと不安が過ぎったりする。 でもね、こうやって会える瞬間って凄くハッピーなんだ。 近くにいた頃より、凄く凄く愛しく感じるの」 本音がポロリ。 大好きだからでてしまう。 あたし達が出会ったのは高校時代。 あたしは中距離ランナーだった。 同じクラスで成績優秀な雅彦は生徒会長をしていた。 話した事もあまりなく縁がない人だと思っていた。 ちょうどスランプの時期があって、たまたま泣いている姿を雅彦に目撃された。 その時、叱咤激励をしてくれた。 毎日毎日……。 あたしがスランプから抜け出した後も心の支えになってくれた。 いつの間にか自然な流れであたし達は恋仲になっていた。 ありえない恋愛だと思っていた恋からのスタートだったけど、毎日毎日楽しくて笑っていた。 雅彦が大学院を出て海外留学をすると決断した日、今度はあたしが雅彦を叱咤激励して心の支えになろう……。 そう決めたのだ。 なぜか思い出が頭を過ぎる。 「詩織……」 雅彦があたしの顔をジッと見る。
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