特別な日

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「それって……」 初めてのサプライズにあたしはどぎまぎする。 「プロポーズ……のつもりだけど。 誕生日の日にしようって決めてたんだ」 ニッコリと雅彦は優しく笑った。 「雅彦……。 あたし、雅彦のお嫁さんになる!」 顔から火が出そうな勢いであたしは言う。 嬉しすぎるよ、雅彦。 「さっきみたいな事ないように、姉ちゃんに言っとかなきゃなぁ」 雅彦はため息混じりに言う。 「姉ちゃん?」 思わず雅彦の言葉をそのまま返す。 「さっきの俺の姉ちゃん。 久々に家に帰って来てたらしくてつかまってたんだ。 ちなみに既婚だ」 雅彦はさっきの女性について話した。 「そうだったの。 あたしの早合点か。 恥ずかしい……」 そういえば……。 どことなく雅彦に似ていたような……。 怒りに任せて逃走せずに、ちゃんと雅彦の話しを聞けばよかった。 トホホ……。 「まぁ、俺らが出会った頃は姉ちゃん既に結婚して家出てたし滅多に帰ってこない人だったからな。 言ってなかった俺が一番悪い。 ごめんな、詩織」 そう言って雅彦は頭を下げた。 「謎が解けただけでも充分」 そうだよ。 雅彦が謝る必要なんてないんだよ。
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