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翌日の朝、竜太は校門のところへ立っていた。
昨日は、クラスメイト達の手伝いもあり、プール掃除は早々に終わった。
結果は田崎に報告済みだ。
「青葉、おはよう。ってか、朝から何やってんの?」
夏美が竜太を見つけ、近付いてくる。
竜太は夏美をしばし見つめた。
「な、何よ。」
「・・・三咲、お前、スカート短くねーか?」
「はぁ!?」
夏美は声をあげると、後退りをする。
「あんた、何言ってんの?気持ちわるっ!」
「オレだって、好きで言ってんじゃねーっ!こいつのせいだ。」
竜太は自分の右腕につけられた腕章を指差す。
「生活指導委員?あんたが?!」
竜太はふんと鼻を鳴らすと、腕組みをした。
「つーわけだから、スカートは校則通り、膝上10センチまでだ。明日から直して来い。」
「・・・あんたの金髪頭で言われても説得力ないって。」
「ふん、嫌なら校則を変えろ。ちなみに髪の色は校則で指定されてないからな。自由だ。」
夏美は呆れた顔で竜太を見つめるしかなかった。
「青葉!貴様、何をやっている!」
聞き慣れた声がし、竜太がそちらを振り返ると、太田川が走って来ているのが見えた。
「あいつ、全く懲りてないみてーだな。」
竜太が隣の夏美に呟く。
「もう挑発すんの止めなさいよ。」
夏美が釘を刺しておく。
「青葉、朝から何をやっておるか!」
「生徒達の服装チェックです。生活指導委員なので。」
「貴様が生活指導委員だと!誰がそんなことを決めた?!」
「あなたが大好きな陣内先生です。」
太田川はこれを聞くと、途端に真っ赤になる。
「な、何を言っておるか!い、いいか!もう揉め事を起こすんじゃないぞ!」
太田川はくるりと向きを変え、校舎の方へ戻っていく。
しかし、途中で立ち止まると振り返らずに言った。
「俺は自分の方針は変えんからな!」
竜太はニヤリと笑う。
「いいっすね。受けて立ちますよ!」
隣で夏美が溜め息をついた。
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