2441人が本棚に入れています
本棚に追加
/161ページ
もさっ!
幸いにも伸びた髪はこれ以上伸びることはなかった。
ピ…
『うわ。このモッサリマリモ、危なく俺がなるところだった…』
「………」
さすがの啓大も顔が引き攣る。
「あれ‥?
おかしいなぁ… どこで配合間違えたんだろ?」
うーん…?
ひたすら頭を傾げている葉月に見兼ねたひよこが口を出す。
ピ。
『いいから早くコイツを元に戻してやれ。
…俺が言うのもなんだが、可哀相だ』
そのひよこの言葉に葉月は顔を上げる。
「え?戻る薬なんてないですよ?」
ピヨ!?
『なんだと!?』
「だって作る必要性がないじゃないですか。ハサミで切れば済む話なんですから」
『………』
「………」
「………」
ジョキジョキ…ッ!
その後、三時間かけて氷雨を覆う髪を元の長さまで切った。
氷雨は元通り。
――…が、しかし‥
「………。」
葉月の作る薬に氷雨がトラウマになったのは言うまでもない。
最初のコメントを投稿しよう!