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俺は九条 龍一(クジョウ リュウイチ)。自分で言うのもあれだが九条組の若頭を務めている。
訳あった事情でこんな山奥にまで来たんだけど…
ちょっと面倒なことになった。
「おっとこ前だねぇ兄ちゃん!
うちの村は皆、いい奴だべ!どうだ?泊まって行くべ!?」
山の中を歩いていたら、いきなり押し寄せてきた何処ぞの村人らに強引に村に連れていかれた。
村に行くと、そこにはリュックを背負った登山家らしき人も何人かいた…
「若」
「やめとけ、徹(テツ)」
「しかし…!」
後ろに控える強面の部下が不満げに突っ掛かる
まぁ、気持ちもわからなくもないが…
「だからって、
善意で招いてくれてる村人を無下にするのもどうかと思わないか」
「………はい」
ふぅ、まったく。
お前は真面目すぎるんだよ…
内心溜め息ついていると、子供… いや、少年か。俺より少し年下くらいの声が聞こえた。
「だから、俺は観光じゃなくて…」
気怠げにそう村人に訴える黒い髪の少年になぜか興味を持った俺は気づいたら自分から話しかけていた
「ははっ…。もしかして君も?」
そう声をかければ、目の前の彼は困ったように笑った。
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