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校舎の二階の西の端の窓の鍵は壊れており、ちょっとしたコツが分かれば開く事をアナタ達は知っているし、当然そのコツも知っています。
三人の中で一番身軽なアナタは、コンクリートの壁を上手くよじ登り、その窓を開く事に成功すると、校舎の中に侵入しました。その後を二人がどうにか登ると、アナタは彼らを引き上げます。
三人が校内に入った事を確認してから、アナタは静かに窓を閉めました。
目的の場所はみんな分かっているのでしょう。三人は無言で廊下を歩いています。その強張った表情は、警備員を警戒している為だけではないように見えました。
暫く進んでいると、
「お、おい!」
アナタの後ろから声が上がります。
何事かと振り返ると、そこには葉書をアナタに見せた相手の姿しかなく、もう一人の姿は何処にも見当たりません。
「アイツ、何処行ったんだ?」
アナタはそう尋ねますが、相手は見当も付かないといった顔で、ただ茫然とアナタを見返し答えました。
「アイツはずっと俺の横を歩いてたんだ。それが俺の視界からいなくなったから、どうしたのかと思ってそっちに目をやったら……」
いなくなったのでしょう。
アナタ達は離れないようにしながら、彼を探し始めました。
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