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……意識が落ちる事が多いな。もう二回目だ。
と言うか、警戒して無かった俺が馬鹿だな。そう言うこともあるって分かってたんだが、これが平和ぼけって奴かな?
「おおっ、これが魔封じの枷か。凄いな、ホントに魔力使えねえや」
手錠みたいな枷に、そこから首に伸びる鎖でかなり動きづらい。
神様から貰った知識にあった、魔法はイメージ、派手じゃ無けりゃ魔法じゃない。と言う説明通りに、軽く火花を想像したが靄が一ミリでるだけで終わった。
「うーん、多分奴隷だからな。男と女は別か。まあいいや、寝よ」
そこら辺に転がっている人々を無視して、睡眠欲をMAXにして寝転がる。ついでに練習として、床から少し浮いた状態で空間を固定する。
「おい、てめぇら起きやがれ! 移送の時間だ!」
野太い濁声で起こされたので、ちょっと気分が悪い。
フラフラとした調子で、指示された方向に歩いて馬車に乗る。椅子とかが無いので、床と壁に体を固定させておく。
「おい兄ちゃん、あんたも拉致されたのかい?」
「いえ、道に迷った末に見つけた建物が、奴隷商のアジトだっただけです」
「そりゃ、運がなかったね。ヒッヒ」
「はい」
馬車と揺られながら流れる景色を見続ける。流石に住んでいた場所じゃこんな広い森を見たことがないからな。
と言っても、見慣れる事になりそうだ。
「人柄が良い人に買って貰えれば良いのですが……、それは高望みすぎでしょう」
また睡眠欲を上げて、目を閉じる。
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