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「次の商品はこちら! 犬系獣人の青年、齢は16そこら。労働のためでも、魔法の的でも、試し斬りでも、性処理道具でも使用可能。昨日仕入れたばっかりなので弱ってはいません! 金貨五枚から!」
「10だ!」
「こっちは12!」
「30出す!」
「板1だ!」
見渡せば目に付くのはデブ、ハゲ、ブス、ピッツァ、厚化粧ババア、ブタと醜い人が多い。
普通な人もそこそこ居るが、前に上げた連中の方が殆どだ。
と言うか青年って、俺30後半だぞ。
「板120」
「金板120枚が出ました! 他に入札される方は居ませんね? 落札です!」
人を観察していると、渋い声の人に落札されたようだ。
スタッフに引っ張られて個別の部屋に入れられた。
「ほら、ここに入ってろ」
「そんなに押さずとも入りますよ」
軽く押されながら部屋に入る。
中には1人の同じ様に拘束具を付けた虎耳の女の子が居ただけで、あとはテーブルと椅子が二つだけだった。
「こんにちは。君も同じ人に買われたのかな?」
「多分……。……あなたは何でそんなに笑っていられるのですか?」
「ああ、これですか。ただ単に愛想を良くしている為に、笑顔で固定しているんですよ」
「そうなんですか」
少しでも嫌な仕事を割り当てられないようにしとかねえと。
「そんなところに立っていて疲れませんか?」
「いえ、これくらい大丈夫です」
「そうですか」
椅子は売り手買い手が座る場所だから、座ったらなにされるかわからない。
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