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この世で一番の敵は己自身である。
仮にこんな志を極めて成長していくとしよう。
そうすると他人を恨む、妬むという行為自体を理解できなくなる。
怒る、という行動を忘れてしまう。
彼女はそんな世界を生きている。
アパートの個室のような小さな空間、真っ白な部屋にでドアらしき物は見当たらない。
部屋には無機質にプラスチック製の椅子と机。
その椅子に座って頭に円盤状の物を装着していた。
彼女はピクリとも動かないのと裏腹に部屋は半透明のプレートのようなものが浮かんでは消え、浮かんでは消え、とそれを延々と繰り返す。
そんな部屋に不意に扉が浮かびあがり誰かが扉をゆっくりと叩く。
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