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無感情、無表情な彼女は相槌だけを済ます。
さよか、と相槌を打たれた側が一言。
そして顎を指で挟み首を傾けて難しい顔を数秒。
「まぁ、突然なんやけど……うちらの仕事は一旦休暇になる。ちとおもろい事があったらしい」
その言葉は僅かだが相手に反応の素ぶりを与える事になる。
この仕事についての暫くの中断、イレギュラーな事態のどちらかに食いついたか。
あるいは両方か。
「そんなわけでちょいと出かけるわ。『ノア』もいくやろ?」
「えぇ……」
ゆっくりと立ち上がりよろよろとドアに歩く。
その姿を見て慌てて手を握り、まるで子を先導する親のように部屋を出て行った。
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