幻想曲Ⅰ

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ある爽やかな 初夏の日暮 私は 一つの孤独に出逢った やあ 君も 喉が渇いたの? これ 丁度いいや 一つあげよう 体中に 染み渡るでしょう? 私も 満たされたんだよ 太陽は 時に従い 冬は僕らを 包み込む パラレルの上を 動きはじめる 僅かな狂いは 分かちはじめる ある息苦しい 夏の宵 私は 一つの孤独を抱えた やあ 君は あのときの? 酸欠らしいや 一つくれるの? 心の中に 深く広がる 私は 満たされたんだよ 月光は 雲に従い 夏は彼らを 引き離す パラボラの面を 反射しはじめる 微かな想いが 八つ裂きにする 凍えそうな夜 君が傍にいて 眠ってしまわないように 息苦しい夜 君がそこにいて 消えてしまわないように 夢から覚める 冷たい空気 乾いた土の 緑の匂い いつもの 一人の帰り道 「現実は待ってくれない」 星達は 己に従う 夏は僕らを 巡り逢わせる パラドックスが 繋がりはじめる 四角い連鎖は 途切れ収まる 全ては 誰か 描いてた ストーリーだから
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