或る雌猫の考察

2/2
前へ
/56ページ
次へ
一体どれほどの人達を 全体どれほど傷つけたら 俺の気は済むのというだろう 傷付くのは いつも近くの人ばかり 腕を振れば そこにいて 今日もまた 繰り返すのだろう 喧嘩もしたことない大人が 人を殺めてしまうように 甘えたいだけなのに 甘え方を知らない俺は 子猫の 甘噛み 細く尖った 鋭い歯を突き立てる 「ああ どうして!」 「何で俺の手は人を傷つけることしかできないんだ!」 大切な人ほど 深く抉る 心に 爪痕を残す そして今日も涙を流す 己の我が儘の被害者 最愛の貴方に 傷ついた人を見るのは もう散々だ・・・ 一体どれほどの人達を 全体どれほど怒らせたら 俺の気は済むのというだろう 狂うのは いつも近くの人ばかり 振り向き喋れば そこにいて 今日もまた 繰り返すのだろう ガキ大将のいじめられ役が 人を殺めてしまうように 甘えたいだけなのに 甘え方を知らない俺は 親猫の 首噛み 太く鈍った 汚れた歯を突き立てる 「もう どうして!」 「何で俺の手は人を怒らせることしかできないんだ!」 大切な人ほど 深く抉る 心に 爪痕を残す そして今日も涙を流す 己の我が儘の被害者 最愛の貴方に 狂った人を見るのは もう散々だ・・・ 俺の手は、どれだけ・・・
/56ページ

最初のコメントを投稿しよう!

6人が本棚に入れています
本棚に追加