一章 仲間

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………。 異能の力。 人間に与えられた宿命とも言える力。 禍々しい存在。 奴らに対抗できる力であるが故に戦いが起こってしまう。 皆は奴らのことをこう呼ぶ、「闇」と。 様々な姿かたちで現れ、襲い掛かってくるのだ。 力があっても使いこなさなければ意味がない、命を落とすだけ。 だから、過去に存在していた「学校」を、この時代、この世界に合う学び舎として世界各地に開かれていった。 教えるのは戦いを経験した者であり、戦いの前線に立てなくなった者だ。 もう年であったり、戦いの傷によるものであったり、いろいろな人物が先生として教壇の上に上がっているのだ。 今、現在進行形で俺が受けている授業は戦いの基本的な立ち回りなどを教える「基礎」の授業。 担当は屋良(おくら)のいう名前のじいさん。 昔は最前線で皆を引っ張っていた熱血男だった、らしいが今ではその面影もないのんびりしたじいさんだ。 授業を聞く理由もないので、俺はいつも窓の外を見て過ごす。 最近は注意すらされない。 こんな俺に友達がいるわけもなく、完全な孤独…と言いたいとこなんだがそうではない。 「おい、天海。」 隣の席から俺を呼ぶ声。 そう、コイツのせいだ。 窓の外から目線をそいつに変える。 俺の髪とはある意味間逆の金髪。 俺とは違い完全な不良、問題児。 名前は… ………。 …忘れた。 「おいっ!!」
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