2、眼鏡は至高の萌えアイテム

4/16
前へ
/32ページ
次へ
「…折反くん」 「はいッ!?」 いつの間にか俺のすぐ背後に居た社長が耳元で囁いてきて、俺は思わず裏返った変な声で返事をしてしまった。 「折反くんのデスク、そこだから。荷物置いたら百合野と一緒に社長室来て」 「は…はい」 社長は満足そうににっこり笑うと、隣の部屋へと消えていった。 (え…何、いきなり呼び出し?) 「あはは、そんな不安そうな顔しなくて大丈夫だよー。色々説明するだけだから」 百合野さんがそう言って緊張を和らげてくれたけど、あの社長にまた何かされるんじゃないかと思うと、別の意味で気が重い…。 「失礼します」 「どうぞ」 ノックをして社長室に入る。 実は社長室の扉を開けてくれたのは百合野さんだ。 既にあの出来事がトラウマになりかけている俺には、この扉を開ける勇気がなかったのだ。 百合野さんには、緊張して手が震えてるから開けてもらえませんか、と言った。 痴漢されたから嫌ですなんて言えるわけないからな…
/32ページ

最初のコメントを投稿しよう!

1304人が本棚に入れています
本棚に追加