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「これか…いや違うな。これ…は、テンプルが太過ぎるか…」
着せ替え人形のようにされながら眼鏡を吟味してもらい、最終的に下半分だけ黒い縁の付いた細身の眼鏡に決定した。
「うん、似合うね。やっぱりこれだ」
似合う、と言われても。鏡もないし、今まで眼鏡なんて掛けた事ないからピンと来ない…。
「ちなみに私はこれだよ。モノクル」
社長が引き出しから取り出して掛けたのは、銀色の縁の片眼鏡だった。
…くそ、認めたくないけど、かっこいい。更に色気が増したような気がする。
「それじゃああとはキャラ作りだねー」
眼鏡達の入ったケースを閉じながら百合野さんが言う。
ほわほわオーラのせいで無意識に、そーですねーとか返しそうになってしまったが、普通におかしい発言だという事に気が付いた。
「キャラ作り…って言いました?」
「うん、言ったー」
…おうちかえっていいかなぁ!
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