1304人が本棚に入れています
本棚に追加
(ち…近い!近い近い近い!!)
鼻先が付きそうなくらい近くに社長の顔があって、何故か心臓がどくんと跳ねた。
どうしよう、あの憧れの色綾人がこんな距離に…
いやいやでもこいつ痴漢するような最低野郎だし!
あーそれにしてもすごい顔綺麗だな…
あれもしかしてこの近さって殴るチャンス?
…などと色々な思いが頭の中でマーブル状態で、結局俺は硬直したまま社長の目を見ている事しか出来なかった。
「うん、決まりだな。折反くん、君はツンデレキャラで行こう」
顔を離した社長は、清々しいほどのドヤ顔でそう言った。
…いや、ツンデレって。全然俺のキャラ違うし。
「すみませんが社長、俺はツンデレっていうキャラではないかと…」
「いいからやってよ。君の顔にはツンデレが似合うって私の勘が言ってるんだ!」
「その勘捨てて下さいよ!俺は学生時代ずっと女王様キャラでやってきたんですよ!?どうせキャラ付けするなら女王様でお願いします!!」
「だが断る」
「俺だって断…っ」
更に反論しようと立ち上がった俺の肩を、社長が強く掴んで引き寄せた。バランスを崩してそのまま社長の肩に顎を乗せるような形になってしまって、体勢を立て直そうとしたその時。
最初のコメントを投稿しよう!