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「女王様なんて似合わない。…こんなに、可愛いんだから」
あの、甘く低い声で、耳元を掠められて――
「ッ…!」
自分でもすごく、すごく情けないことに。
俺はそのままへなへなとソファに座り込んでしまった。
あー、帰りたい。いやもう死にたい。消えたい。
何、この人あれなの?ホ●?●モなの?
「百合野」
「んー?」
「悪いけどこれコピーしてきて」
放心状態の俺を横目に、何故かこのタイミングで百合野さんにコピーを頼む社長…理解出来ない。
と言うかこのタイミングで百合野さん居なくなったら=社長と二人だけになってしまったらマズい気がする…!
いやそもそも普通副社長にコピー頼んだりしないだろう。むしろこういうのは下っ端が積極的にやるべきだよな!
「あの、俺がコピーやりま…」
「新入社員用の資料、抜けてるから」
「あーそれはダメだねー。じゃあコピってくるよー」
ええぇぇえ百合野さん行っちゃうのおぉぉぉお!?
「頼んだ」
「はーい」
無情にも閉まる扉…
この瞬間社長室は拷問室へと姿を変えたのだった…。
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