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俺の居場所
近くに来ると余計に古さが際立った、塀の内側には、縁側があり、その向かいには花壇があった。
いろとりどりの花が咲き誇り、風が吹くとふわり花のいい香りが鼻を擽る。
「あれ、君が新しい入居者かい?」
優しいく低い声が後ろから聞こえ、荷物を降ろし、首だけ後ろに向けた。
そこに立って居たのは、柔らかい笑みを浮かべた、背の高い青年だった。
さらさらな髪の毛、銀色の縁眼鏡、少し痩せ細って見えた。
「は、はい‥、貴方は?」
体を相手に向けた、陽射しを浴びて居ても、余計に白い肌が輝いて見えた。
「あ、ごめんね、僕は加賀美真也、ここの寮に住んでる」
かがみしんや‥、綺麗な名前だ。
あっちじゃ聞いた事無い位に。
ぼうと見入っしまって居て、自己紹介をも忘れてしまいそうだった。
「あ、僕は守川瞬です、はじめまして、宜しくお願いします」
ぺこりお辞儀をする。
彼方も軽く会釈をした。
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