56人が本棚に入れています
本棚に追加
「あ、寮長紹介するね、今日は居たはずだから」
はいと返事をし、荷物を持とうしたら、加賀美が一番重い荷物を一つ持ち上げた、それに甘んじて、残りの荷物を持ち、加賀美の歩く後をついて行った。
カチャ、金属の音が寮内に響く、水を打った様に物静かであった。
「じゃあ、ちょっと呼んで来るから、待ってね?」
広いロビー見たいな場所に荷物を置かれ、加賀美はゆっくり左側にある、木造の階段を登って行った。
置いて行かれた俺は回りを見回した、内装は現代的な感じだった、壁は白い壁紙が貼ってあり、床はベージュのフローリング、玄関の様な靴を脱ぐ場所は無かった。
奥の右側の方には通路があった、きっとこの先に部屋が有るんだと予想した。
右手近くにドアがあった、ここも部屋なのだろうか?
そうこう模索していると、加賀美と一緒に背の高い男が降りて来た。
「ごめんね、待たせて、こちら、黒渕鋼寮長、で、新しい入居者の守川瞬君」
加賀美が二人の間に入って、紹介する。
「はじめまして、守川瞬です、これから宜しくお願いします」
顔を上げられずにお辞儀し、改めて、黒渕の顔を見る。
目は細くて、眼鏡を掛け、髪は短髪で、身体は服を着ていても分かる位にがっちりしていて、背が凄く高く感じた。
何だか空気が重い気がした。
最初のコメントを投稿しよう!