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素敵な素敵な仲間達
太陽はもう沈み掛け、赤い光が部屋を染める。
暖かった風はもう冷たさを持って、守川の頬を撫でた。
身体が冷え込んだのか、瞼に皺が刻み込まれ、瞳を開けると天井があった。
片付けの最中、疲れてベッドに横になったのが最後‥。
『少しだけ休もう‥』
眼鏡を外してベッドの脇に置き、瞼を閉じていたら、ぐっすり眠りについていた。
目を擦りつつ、視界がぼやけながらも眼鏡を取り、装着し時計へ目を向ける。
(‥まだ六時‥五分前か‥)
時間を知ったと安堵したが、ある言葉を思いだし、急に立ち上がる。
「大変だ、もう食事の時間じゃないか!」
慌てふためき、軽く着替えると、加賀美に教えて貰った食堂室へと急いで向かった。
両開きのドアの銀のノブを回し、中へ入ると誰も見当たら無かった。
長いテーブルが一つあり、椅子は左右に四つづつ置いてあった。
カウンターの奥には料理が用意されており、まだキッチンには人影はあった。
(あれ‥?誰も居ないのかな?)
呆然と立ち尽くした後、周りを伺おうと振り帰ろうとした瞬間。
「雪華寮へようこそっ!」
知らない声が急に聞こえたと思うと、背後からいきなり抱きつかれた。
「ぅわ‥っ!だっ、誰っ?!」
離れ様にも、意外と力は強く、振りほどけず、抱きつく人物を見ようと首を回す。
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