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そして夜。
私は泣いた・・・。
本に入ってからいいことが一つもない・・・。
だからお城に行きたいと思った・・・。
「ううっ・・・。うわあああん・・・。」
「おお、泣かないでシンデレラ・・。」
私はびっくりして後ろを確認すると白い髪のおばあさんが宙に浮いていた・・・。
「私はあなたの味方の魔法使いよ。怖がらないで。」
「なぜ、私のところに・・・?」
「全部みていましたよ。あなたが頑張っている姿・・・。その分今日は舞踏会に行ってらっしゃい!」
「でも、ドレスもないしこの服じゃあ・・・。それにお母様にばれたらどうなるかわからない・・。」
すると魔女は大きくため息をついた。
「シンデレラ・・・。あなたは弱虫ですね・・・。でもあなたにはいってもらいます。」
魔女は指をパチンと鳴らした。
すると・・・
私はいきなり白い光に包まれた。
気づくと私は頭にはきれいな飾りがついていてとてもきれいなドレスを着ていた。
「おや?くつを忘れていたわ。」
そして魔女はもう一度指を鳴らした。
私の足は光だし、ボロボロの靴は消えきれいなガラスの靴を履いていた。
「…私のためにありがとう、魔法使いさん。」
「いいえ。馬車はもう用意してあるからお行きなさい。シンデレラ、魔法は十二時には消えてしまうからそれまでにはお戻りなさい。」
「はい。」
「行ってらっしゃい、シンデレラ。」
「私、シンデレラじゃなくて真紀です・・・。」
「おや、これは失礼。行ってらっしゃい真紀さん。」
「行ってきます。魔法使いさん。」
わたしはこの世界に入り本当の名前で呼ばれたのが初めてだ・・。
魔法使いの優しい声を思い出すと心がとても落ち着いた。
そして私は馬車に乗りお城に向かった。
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