シンデレラ

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ちょっと怪しいけど中に入ってみた。 ・・・・・・・。人が誰もいない・・・。 「すみません、どなたかいらっしゃいませんか・・・?」 返事がない。 ここの図書館は誰かいるはず・・・。 ほこりもないし、ちゃんと本の整理がされている・・・。 もう一度言うか・・・。 「すみませええええん!!」 今度は恥ずかしいくらい叫んで言った。 「ああ、はいはいはいはい!!」 人、いるじゃん・・・。 私の後ろから出てきたのは背が高く、無性にひげを生やしていて髪は茶色い・・・。眼鏡の優男・・・。 ひげ、剃ってはいかが・・・? 「そうですよね~。僕そろそろ剃らないとって思ってるんですけどねえ~。」 「えっ?」 「ひげ、剃っては?といわれたのでそういったんですが・・・。」 口に出して言ってはいないはずなんだけど・・・。 なに、こいつ・・・。 「人間ですよ!!失礼ですねえ~。」 「!!!!」 「私、いま心の中で思ったことが何でわかるんですか!!」 「それは・・・・。ここ、不思議な図書館ですものっ!だからですよ。ははっ。」 怪しい・・・。 「どう見ても僕はただのおっさんですよ?怪しくなんかないよ?」 「だからっなんで!!」 「まあまあそう怒らずに、せっかくですから本を読んでってくださいよ。童話しかありませんが、ははは。」 もうどうせこれ以上聞いても無駄だからあきらめよう・・・。明日だ明日! めんどくさいなあ、このおっさん・・・。 「あははははは・・・。」 童話かあ・・・。最近全然読んでないから読もうか・・・。 「忙しそうですもんね、真紀さん。家や学校でも心がボロボロになってますもんね。ここなら安心ですよ。どうぞごゆっくり・・・。」 「えっ・・・・・。」 「質問は明日にしてくださいよ?僕すぐつかれちゃうんで。」 本当にこの人は何者なんだろう・・・。
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