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そろり、と窓の外を覗いてみる。
知らないところでは気を付けなさいと、お母さんに言われていたっけ。
僕は頭のどこかでいいつけを守っていた。
「へぇ…。」
それしか言わなかった。僕は。
窓の外の景色は思っていたより広くて、思っていたより住みやすそうだった。
真っ白とクリーム色。
それから薄桃色が少し混じって。
この部屋と似ていた。
窓の外は街になっていて、この部屋と違うところは真っ白い雲のようなかたまりが街角の至るところに存在していた。
触ったら気持ち良さそうだった。
僕は少しの間、押し黙っていた。
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