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「おばさんね、ずっと、この紫陽花を見てきたの」
おばあさんは、どこか淋しそうに語る
「おばあさんの子供の頃には、もう、この公園と紫陽花はあった」
「歴史があるんですね」
「そうね、だけど、もう、この紫陽花は枯れるのよ」
「…………」
私は、何も言えなかった
枯れる? 満開に咲く、紫陽花が
「この紫陽花も、もう、年寄りな紫陽花、枯れる運命なのよ」
「どうにかならないんですか」
おばあさんは、この紫陽花が好きなんだろう
だからこそ、淋しそうに言ったんだ
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