思い出

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おばあさんは、ふるふると首を振って 「もう、十分でしょう」 諦めたように、言った 「十分って……」 「時代が、変われば、古い物は無くなる 人も、物も平等にね」 人って、無くなる? まさか、いや、ありえない 「おばさんも、明日から入院なのよ」 おばあさんは、諦めたように 「最後に、この紫陽花を見ておきたかったのよ」 にこやかに笑った
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