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朝食を食べ終え、後片付けを手早く済ませると早足で玄関に向かう。
「お待たせ、じゃあ行こうか?」
「うん、行こう行こう!」
既に玄関で待機していた姉ちゃんとユカに声をかけると三人一緒に家を出た。
「それにしても入学式にお父さんもお母さんも来れないなんてね…」
「仕方ないよ、ユカちゃん…お父さん今お仕事忙しいみたいだし」
愚痴を溢すユカに姉ちゃんが優しく宥める。
今現在、月宮家の家にはオレ達三人の子供しかいない。
父さんが仕事の都合で一年のほとんどを県外、酷い時は海外に滞在している
そして母さんもオレ達が中学に入学してから間もなく親父に付いて行く事が多くなった。
「そう凹むなってユカ…今日の晩飯お前の好きな物作ってやるから」
「別に凹んでなんかないッ!牛丼ッ!」
…リクエストはするんだ
ってか牛丼ってまた男前な物だな、おい
「はいはい、牛丼は作るけど七味振りすぎるのはダメな」
「えぇ!?なんで!?何意味の分からない事言ってんの!?」
いや…だって放っておいたらコイツ真っ赤にするし…
「ほらほら、二人ともケンカはそこまでにして…もう見えてきたよ?」
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