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「陸斗かぁ」 「そう呼ばれるの、嫌い?」 「いいよ、洋平」 乾杯、とグラスを合わせ透明な液体を流し込む。ライムの酸味が心地いい。 「自分の子なのに、どうして傷つけられるかなぁ」 「どうかした?」 「いや、児童虐待の話。なんかやるせないなと思って」 「そうだな。躾のつもりがってやつか?最近多いよな、そんなニュース」 ニュースだけじゃなく、実際に患者でもあったのだろうか。あんまり根掘り葉掘り聞けそうにないが。 しばらく静かに飲んでいた。話題を振ろうにもなかなか話しかけるのも難しいようなバリアが張ってあって。 「先せっと…洋平」 「何だ?」 「洋平なら、大丈夫だよ。何あったかわかんねぇけどさ、見てる奴はちゃんと見てんだよ。うん、大丈夫」 自分でも何言ってんだろって思う。でも、何か言わないと洋平がダメになりそうで。 「洋平なら大丈夫」 ずっと同じ言葉を繰り返してた。
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