プロローグ

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無事勉強会も終わり、パソコンやらサンプルなんかを片付けていく。 海野医師に呼ばれた技師も5分くらいで戻ってきた。 だが、そのあとは海野医師の顔は見れなかった。時々子供の声が聞こえていたから午後の予約診療もあるのだろう。 そっとジャケットのポケットに手をやる。 昨夜拾ったあの職員証だ。 昨夜のヤツと海野医師が同一人物とは思えないのだが。でもここにあるのは確かに海野洋平、ここの小児科医のものだ。 バッグに資料を詰めると前の小児科受付に声をかける。 「海野先生にお会いしたいのですが」 「はい、ちょっとお待ち下さいね」 パタパタと音が聞こえそうな小走りで事務員が診察室に入る。程なくして海野先生が出てきた。
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