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次の日。
本田さんは、朝早くに旅館を出て行った。
朝食を食べ、一休みしてから、わたし達も旅館をチェックアウトした。
「すみません、ありがとうございます。」
玄関を出て、百瀬さんに一礼する。
「いや、いいんだよ。」
「また、こうやって、泊まりに来ましょうね。今度は四人で。」
プリウスに乗る、百瀬さん達を見送る。
プップーッと、クラクションを鳴らし、去っていく老夫婦。
―――兄弟達と、縁を切ってしまったんだな。
後ろ姿に向かって、そんなことを思う。
―――これから、どうなっていくんだろう…。
康君は、甥っ子という間柄だから、それほど、不便は無いだろうけど。
兄弟ともなると、いろいろあるのではないのだろうか?
「俺達も、行くか?」
康君に話しかけられ、現実に戻る。
「う、うん、そうだね。わん達も待ってるだろうし。」
可愛い我が子の待つ車に向かう。
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