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いつもと変わらない階段。でも今日は違う。
今にも、この階段を易々とのぼって来てしまうんじゃないかと、恐れる存在の者がいたからだ。
パレットの足も、部室に近づくにつれて、足早になる。
「パレットさん。」
周りが一斉に立ち上がる。
「いいか、よく聞け。神田には近づくんじゃねえぞ?」
「えっ?」
四天王の3人が、声を揃えて言う。
驚くのもおかしくない。いつも階段を上ってきそうな奴が出てくると、パレットは早めに釘をさす。
けど今回は違う。様子をうかがう作戦に出たのだ。
「でも、あいつは早めに潰しとかねえと……」
「焦るなベース。」
とパレットが、戸惑いの表情を浮かべたベースの言葉をさえぎった。
「少し様子を見るとしよう。潰すのはそれからだ。」
「はい。」
コピックとキャンパスが素直にうなずくのに対して、ベースは中々納得がいかないようだった。
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