第1章

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*** いつもと変わらない階段。でも今日は違う。 今にも、この階段を易々とのぼって来てしまうんじゃないかと、恐れる存在の者がいたからだ。 パレットの足も、部室に近づくにつれて、足早になる。 「パレットさん。」 周りが一斉に立ち上がる。 「いいか、よく聞け。神田には近づくんじゃねえぞ?」 「えっ?」 四天王の3人が、声を揃えて言う。 驚くのもおかしくない。いつも階段を上ってきそうな奴が出てくると、パレットは早めに釘をさす。 けど今回は違う。様子をうかがう作戦に出たのだ。 「でも、あいつは早めに潰しとかねえと……」 「焦るなベース。」 とパレットが、戸惑いの表情を浮かべたベースの言葉をさえぎった。 「少し様子を見るとしよう。潰すのはそれからだ。」 「はい。」 コピックとキャンパスが素直にうなずくのに対して、ベースは中々納得がいかないようだった。
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