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せっかくリセットしに来たのに、殴ってしまった。
校庭の青いベンチに座り、介護士の参考書を読みながら、ふと思う。
一瞬、あの頃のことが脳裏によぎった。
――――「頼む…優梨子には……」
すぐにその映像をを振り払う。
そして、また文面に集中する。
「優梨子さん!」
声の方に向くと、朝、タイマン張ってた人が立っていた。
その顔はボロボロで、またタイマン張ったのかと思うほどだった。
「誰ですか?」
「転校生の、真島由香です。さっきの屋上で、優梨子さんのあの動き!もう感動しちゃいました!」
「あなたも喧嘩好き?」
「はいっ!ここのテッペン狙ってます!私、どーしても、優梨子さんと一緒に行ってみたくて!」
真島さんは目をキラキラさせて、私を見ている。
「それと、これからゆり姐って呼んでもいいですか!?舎弟にしてください!!!」
と、勢いよく土下座した。
「あのぉ……やめてくださいそういうの…。」
私は、真島さんが土下座から立ち上がるのを見てから、歩きだした。
「ゆり姐!待ってくださーいっ!」
これからどうなっちゃうんだろう?
私は深いため息をついた。
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