第1章

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*** 「瑠璃子さん!」 ドアを勢いよく開け、息を切らしている。 「おいパレット。ノックぐらいしろよ。」 ここは、ペインットの部長だけが入れる、部長による部長のための部屋だった。 「チームミートが…やられました。」 クルッとイスが回転して、部長がこちらを向く。 「アカジョも…なめられたもんだな…。」 「どうしますか?」 「誰にやられたんだ。」 会話のキャッチボールになってないことにパレットは一瞬不快になったが、いつものことだ。 「転校生の…神田優梨子です。」 「………ゆりこ…?だと?」 瑠璃子さんは一瞬考えるそぶりをした。 少し時間がたってから、 「もしかして…ユリコ先輩が名前を変えて、また戻ってきたのか?」 瑠璃子先輩は、曇った表情をしている。 「いえ。2年の17歳です。ユリコ先輩は、きちんと卒業してますし、人違いです。」 「まさか、また別のユリコとタイマンを張る日が来そうだな……。」 といい、またイスを回転させた。    「失礼します。」 と言い、パレットはその場を後にした。
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