第1章

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「盛り上がってるみたいだな」 と言いながら、両ポケットに手を突っ込み、堂々としているその姿は、副部長の威厳を感じさせられる。 「パレットさん…。」 ベースが呟く。 「瑠璃子さんは?」 コピックが聞く。 「呼んだか?」 後ろから出てきたのは、長丈のスカートに、胸まである長いブラウン色の髪。 前髪をかきあげた下から覗く目は鋭い、部長そのものだった。 「瑠璃子さんっ」 「卒業式は終わった。これまでアカジョを築いてきた先輩は、もういない。これからのテッペンは、あたしらだ。 アカジョはあたしらが築いていく!気合入れてくぜ!」 「オーッス!!!」 ペインター部員全員が集まり、掛け声を上げる。 胸に留められた、ペインターである印の、ペイントブラッシュの絵が描かれたブローチを、握る。 「誰もここから上には来させねぇ。」
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