38人が本棚に入れています
本棚に追加
***
「おい。あのうわさの転校生、早めに潰しておいたほうがいいかもしれねぇ……」
コピックが目を閉じ、腕を組み、壁に寄りかかりながら言う。
ここはペインターの部室。
「はぁ?あんなまじめっ娘に何ができるってんだよ?」
とベースがコピックを睨む。
「いや。噂で聞いたんだが…アオジョのテッペンを、最短で勝ち取ったって聞いたんだ……。」
「誰が?」
「神田…優梨子だ。つまり、あの…転校生。」
周りにいた部員もはっとしてコピックを見る。
「じゃぁ……テッペン取られるのも…時間の問題ってことかよ……」
ベースは壁を殴った。
「えーキャンパスやだぁ!テッペンとって、まだ数日しかたってないじゃんっ!キャンパスいやぁぁ!!」
頭を抱えてキャンパスがうずくまる。
「まぁ、テッペンとって、アオジョに居座ることも無く、アカジョに転校してきたってことは……ヤンキーを卒業したつもりなのかもなぁ…」
「でも、ここじゃあ嫌でもタイマン仕掛けてくる奴はいるぜ?」
「偏差値が足りなかったってとこだろう…。」
「あぁ…」
ベースはソファに寝転がり、爪をいじり始めた。ベースは渋谷にいそうなギャルって感じだ。
「早めにつぶしとかねぇとなぁ…」
と言いながら付け爪を剥がし始めた。
最初のコメントを投稿しよう!