第1章

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*** 「おい。あのうわさの転校生、早めに潰しておいたほうがいいかもしれねぇ……」 コピックが目を閉じ、腕を組み、壁に寄りかかりながら言う。 ここはペインターの部室。 「はぁ?あんなまじめっ娘に何ができるってんだよ?」 とベースがコピックを睨む。 「いや。噂で聞いたんだが…アオジョのテッペンを、最短で勝ち取ったって聞いたんだ……。」 「誰が?」 「神田…優梨子だ。つまり、あの…転校生。」 周りにいた部員もはっとしてコピックを見る。 「じゃぁ……テッペン取られるのも…時間の問題ってことかよ……」 ベースは壁を殴った。 「えーキャンパスやだぁ!テッペンとって、まだ数日しかたってないじゃんっ!キャンパスいやぁぁ!!」 頭を抱えてキャンパスがうずくまる。 「まぁ、テッペンとって、アオジョに居座ることも無く、アカジョに転校してきたってことは……ヤンキーを卒業したつもりなのかもなぁ…」 「でも、ここじゃあ嫌でもタイマン仕掛けてくる奴はいるぜ?」 「偏差値が足りなかったってとこだろう…。」 「あぁ…」 ベースはソファに寝転がり、爪をいじり始めた。ベースは渋谷にいそうなギャルって感じだ。 「早めにつぶしとかねぇとなぁ…」 と言いながら付け爪を剥がし始めた。
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