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――目覚めて六日目
この日の昼頃、農場主以外の人間が来た。凄い怖い風貌。
その人は、農場主に向かって「金返せ!」って言ってた。
金ってなんだろう?
そして、怖い風貌の人は実っていたキュウリをちぎって食べ出した。
「あ・・・・・・」
目の前で初めて野菜が食べられる光景を見た。
――人間に食べられると人間になれる。
そんな喜ばしいことなのに、僕は怖かった。単純に恐かった。
その男はキュウリを食べ終わると帰っていった。
僕はダンの言葉を思い出す。
――本当に人間に食べられると人間になれるのか?
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