0人が本棚に入れています
本棚に追加
『それで、戦ってどこでやってるんだ?』
神同士の戦いならば少なくともこの世ではないだろう。
「別の次元だ。私が洋介に入り込むことで別次元に行くことが出来る。どうだ?説明より、試しに日本の神と一戦交えてみるか?私は兄弟の仇を打たなければならぬ。」
先程までの落ち着いた表情とは違い、徐々に怒りが込み上げているのが分かる。
いきなりの提案に俺は困惑する。
『ちょっと待てよ!もしだぞ!?負けたらどうなる!?お前と一心同体なら俺まで死ぬのか!?』
ロキは俺の顔をジッと見た後にこう答えた…。
「そうだ。死ぬ。」
その言葉を聞いて愕然、一気に「死」という文字が脳裏をよぎる。
マジかよ…。
まだ死にたくねぇって…。相手は神だぞ?いくらロキが有名な神っていってもオーディンとか名だたる神さえ殺されてるんだぞ?
こいつ…強いのか?
「悩むのも仕方のないことだ。私でも死ぬのは怖い。お前たち人間は死んでも転生するが、私は死んだら「無」だ。しかし、覚悟は出来ている。」
ロキの目に曇りはない。俺が見てもそれは感じることができる。
『因みに契約ってのは解けないのか?』
解けると言って欲しい。
なんで軽はずみに契約なんてしちまったんだ…。
「一生無理だ。」
オーノー!!
分かっちゃいたけどダメージがデカ過ぎる!!
もっとオブラートに包むことが出来ないんかよコイツは。
もう逃げることは出来ないか…。こりゃあ俺も覚悟を決めるしかねぇな。
『分かった分かった…。分かったよ!!そのかわり絶対に負けるなよ!!』
『その前に着替えさせてくれ…。』
まさかパジャマ姿で戦に行く訳にもいかず、仕方なく着替えることとした。
制服でいいか。TPOもクソもねぇけど。
着替えている際もロキは俺の部屋を眺めている。
『よし、用意できたぞ。どうすりゃいいんだ?』
「洋介は何もしなくてよい。行くぞ!」
そう言うとロキは勢いよく俺にぶつかってきた!
『うおっ!顔が近いわ!!恐いわ!!』
ロキの体が俺に入り込んでくる。
途端、視界が真っ白になる。
最初のコメントを投稿しよう!