序章

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『それで、戦ってどこでやってるんだ?』 神同士の戦いならば少なくともこの世ではないだろう。 「別の次元だ。私が洋介に入り込むことで別次元に行くことが出来る。どうだ?説明より、試しに日本の神と一戦交えてみるか?私は兄弟の仇を打たなければならぬ。」 先程までの落ち着いた表情とは違い、徐々に怒りが込み上げているのが分かる。 いきなりの提案に俺は困惑する。 『ちょっと待てよ!もしだぞ!?負けたらどうなる!?お前と一心同体なら俺まで死ぬのか!?』 ロキは俺の顔をジッと見た後にこう答えた…。 「そうだ。死ぬ。」 その言葉を聞いて愕然、一気に「死」という文字が脳裏をよぎる。 マジかよ…。 まだ死にたくねぇって…。相手は神だぞ?いくらロキが有名な神っていってもオーディンとか名だたる神さえ殺されてるんだぞ? こいつ…強いのか? 「悩むのも仕方のないことだ。私でも死ぬのは怖い。お前たち人間は死んでも転生するが、私は死んだら「無」だ。しかし、覚悟は出来ている。」 ロキの目に曇りはない。俺が見てもそれは感じることができる。 『因みに契約ってのは解けないのか?』 解けると言って欲しい。 なんで軽はずみに契約なんてしちまったんだ…。 「一生無理だ。」 オーノー!! 分かっちゃいたけどダメージがデカ過ぎる!! もっとオブラートに包むことが出来ないんかよコイツは。 もう逃げることは出来ないか…。こりゃあ俺も覚悟を決めるしかねぇな。 『分かった分かった…。分かったよ!!そのかわり絶対に負けるなよ!!』 『その前に着替えさせてくれ…。』 まさかパジャマ姿で戦に行く訳にもいかず、仕方なく着替えることとした。 制服でいいか。TPOもクソもねぇけど。 着替えている際もロキは俺の部屋を眺めている。 『よし、用意できたぞ。どうすりゃいいんだ?』 「洋介は何もしなくてよい。行くぞ!」 そう言うとロキは勢いよく俺にぶつかってきた! 『うおっ!顔が近いわ!!恐いわ!!』 ロキの体が俺に入り込んでくる。 途端、視界が真っ白になる。
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