さん

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  「なんで休みなんだよおおお…!」 くそが!!!!!!!!!! 夕方、桜井さんが来るということで意気揚々とバイトの準備をしていては、冷蔵庫に貼り付けていた勤務表をみた母親が一言。今日陸休みよ。 背負ったばかりの市松模様のリュックを投げ捨て悲痛の叫びを上げる。なんでなんでなんでええええ… 「そんなに仕事したかったのねえ…ちょっと前の陸と大違い、お母さんうれしい」 「うるっせクソババア」 ばしっ 「すみませんお母さん」 「そんなに職場が好きなら遊びにいってらっしゃいよ、ついでに何か買っておいで」 「金」 「給料あるんだからそれで行きなさいよ」 …まあいいか。そうだ、いいこと考えるな。さすが俺の親なだけある。 そうと決まれば、自室に赴きTシャツとジーンズを脱ぎ捨てる。桜井さんはどういう服装が好きなんだろうか、試行錯誤を繰り返し、とりあえず俺のもつ一番しゃれおつな服をタンスから引っ張りだした。 「…よし」 ブーツ! ポケットに携帯と財布を突っ込み、玄関に走る。サルエルってなんでこう動き辛いんだ! 早足にバイト先にむかう。自動ドアの前で一度深呼吸、よし大丈夫。寝癖隠しに帽子だってかぶった。薄いニットの黒いやつ。眉毛だって整えた、雑誌みて買ったカラコンだってつけた。ヒゲも綺麗さっぱりないしいける。なんたって俺イケメンだから。かっこいい、大丈夫。いけるよ。桜井さんもメロメロのはず。多分。 意を決して自動ドアを潜り抜け、何気なくレジにむかう。桜井さん!はにかみ笑顔で俺をむかえて! 「いらっしゃいませー」 「………」 「りっくんじゃん!めっちゃキメてんね、デート?」 なんでお前なんだよ!!!!!! へらへらと笑いながらイケメーンと茶化すチャラ男。うるっせええええ 「桜井さんは」 「え?さっき休憩いったよー」 「…そすか」 「りっくん喋ろうよー暇でさー」 「………」 だからお前じゃないんだよ!
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