3. ユウ

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  「本当に大丈夫?」 「ああ……うん。ごめんね」 「謝んな……」  別にユウはミユキに言ったわけでもないだろうに、俯いたままのミユキがボソリと小さい声で言う。 「ごめんね」  苦笑いを浮かべて、もう一度ユウは謝る。それについてミユキは今度は文句を言わない。 「ええと……これで良かったのかな?」 「うん。トモハルにはたくさん苦労をかけてしまったね。ごめん」 「これくらいなんでもないよ。でも……」  ミユキを抑えるために仲介役を買って出たのに、結果は見事にミユキは大爆発してしまった。これでは何の役にも立っていない。  それに、まだ事も解決していない。 「わかってる。彼女の先輩には僕から直接話すよ」 「え? でもそれって、ユウは女の子が苦手だし……」 「逃げんなって、言われたからね」  ユウはまた苦笑い。でも、何故かそれが少し嬉しそうにも見える。 「頑張ってみるよ。確かに僕は、逃げていたと思うから」 「ユウ……」  何も言わず俯いたままで表情が見えないミユキの肩を支え、遠くを見つめるユウを見る。 「ワンっ!」  夜が始まろうとしている雲が少ない空の下、賢いコーギーがまた一度だけ吠えた。  
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